rural engineer

田舎で暮らすエンジニアの日々

落としどころ

今週は実験しかしていない。来週は、細かいデータ取得や調整を行って、実機に基板を搭載してみる予定だ。うまくいくといいのだが。

僕は電子回路や組込みソフトの設計エンジニアをしている。現在はアナログ電子回路の設計をしている。アナログでは、部品の定数や物理的配置をいじりながら、回路の特徴をうまく掴むことが重要だ。まず、色んな部品がある中で、影響力の比較的大きいところはどこなのかを把握する。同時に、部品同士が互いに強く関連しあっているところがあるので、うまくバランスするところを探っていかなければならない。あちらを立てればこちらが立たないということが必ず起きるので、調整可能な範囲で、だいたいの落としどころを見つけてやるしかないのである。だから時間がかかるし難しい。

今の職場には半年前に中途入社した。働き始めてから3社目だ。

・1社目:社員600人で年商200億の会社

・2社目:社員15人で年商2億の小さな会社

・現在:社員4000人で年商7000億の大企業

一応、全部正社員採用である。よく、中小企業から大企業には転職できないと言われるが、そんなことはない。タイミングさえ合えば、けっこう簡単に入れる。転職エージェントも使わなかったし、特に何の対策もしていない。

問題は入社してからなのだ。僕の経験では、慣れるのにだいたい3年くらいかかる。だから、今の職場に慣れるまで、あと2年半ぐらいはかかるだろう。職場に慣れるというのは、アナログ回路の設計と非常によく似ている。仕事を通じていろいろ試しながら、職場のルールや人間関係、そしてそれらのパワーバランスを掴む。これらが把握できると、色んな落としどころを見つけることができるようになる。また、その頃には自分も職場という回路の「一部品」になるので、どういう部品になるのか決めていかなければならない。今度はどんな部品になろうかな。